アメリカの商業不動産の証券化
アメリカの商業不動産の証券化は、ロックフェラーの成功もあってさらに拍車がかかります。ラスベガスの有名ホテル、サーカス・サーカスやアメリカン・エクスプレス本社ビル、ホテル・ラコスタ等の有名不動産が次々と名乗りを上げました。最近では、二○階建てというアメリカ最高層のビル、シカゴのシアーズ・タワーがREITのスキームで証券化されるという噂も出始めました。アメリカには、ランドマークこそ証券化しようという土壌があることが、あらためて確認された形です。これが日本ではどうでしょうか。大都市各地には生保やデベロッパー所有のランドマークビルがいくつもありますが、いまだに有名で人気のあるビルが証券化されたという話は聞いたことがありません。東京でも、ロックフェラーセンターに匹敵するような霞が関ビルや、西新宿にある超高層ビルが証券化される可能性はまずないでしょう。それどころか、日本の商業不動産証券化の歴史は、明らかに売れ残りビルやマンション、それに質が悪くて売りにくい不動産だけが証券化されてきた空しいだけの歴史でした。日本では、小口化して表面的に売りやすく見せるためにしか証券化のインセンティブは働かなかったのです。
